ニュージーランドに来る目的は人によって異なってきますが、
こちらで何の仕事をしていくかと悩む方も多いのではないでしょうか?
日本で働いて培った技術を活かす人、
はたまた、こちらで新たな道を進む人、
色々な生き方があります。
僕は、後者に当たる人間ですが、今現在シェフという職業で生計を立てております。
ニュージーランドは、年齢に関係なく、
あらたなことに挑戦できる環境が当たり前にあるなと常日頃感じていることです。
「やりたいことがあるならやりましょう!」っていう思想がこちらにはあるため、
今の僕があるのかもしれません。
ありがたいことです。
こちらの記事をご覧になってくださっている方の中には、
ニュージーランドでシェフを目指し
専門学校に行こうか迷われている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
僕のシェフになるまでの体験談や僕の意見を3日間にまたがってお届けしますので、
あなたの決断の後押しになれば幸いです。
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シェフを目指そうと思った動機
ニュージーランドでシェフを目指す方の中には、
移住ビザを目的とする方もいらっしゃるようですが、
僕は国際結婚で移住ビザを取得していたため、
シェフを目指すきっかけは移住ビザ取得が目的ではありませんでした。
僕の場合、ニュージーランドに移住した初めの年、
専業主夫の経験が、シェフになりたいと思うきっかけになりました。
その頃、これから仕事として何をやっていこうかと思い悩んでいた時に、
日本にいた時にやったこともなかった料理にはまりました。
それは、きっと家族の反応があったからかもしれません。
「おいしい!」っていってくれる家族の笑顔が、また料理を作りたくなる気持ちにさせてくれ、
家事の一つである料理が、趣味になっておりました。
ただ、子どもたちの学校のお弁当を毎朝作ったり、
毎日3食作るのも大変だなーって正直思うこともありましたけどね(笑)
料理ってクリエイティブな部分もあって、自分の感覚を研ぎ澄ませてくれて、
思ったものが出来上がった時、なんか達成感もありうれしかったりしたんですよね。
そして、イギリス出身のセレブリティシェフのジェイミーオリバーさんの料理番組に魅了されたこともあり、
「これ、ちょっと真剣に料理の道考えてみる?」ってことで、
別に進む道もなかったので、まずはやってみるしかない!っと、地元の学食で皿洗いのバイトから始めました。
32歳にして皿洗いの仕事か、、、
っと一瞬嘆きそうな時もありましたが、
それは日本社会にいる自分の偏見だと気付き、
せっかく夢をつかんだのだから、突き進むしかない!っと
その頃はシェフにあこがれておりました。
レストランのシェフが作る料理とは違う学食といえども、
100人分の料理を作るおばちゃんたちが僕には輝いて見えました。
しかも作るのはこちらの家庭料理で、オーブンを使う調理法が多く、
オーブンの使い方も知らない、何℃で調理すればいいのかもわからない、
全く知識ゼロの僕の知りたい!っていう欲求をくすぐる毎日でした。
そして大きな街に引っ越して、今働いているレストランで本格的にキッチンハンドの仕事をし、
シェフジャケットを付けて手際よく料理をしているシェフの姿はかっこいい!って思い、
シェフへのあこがれが強くなり、正直とても大変だった洗い場の仕事も下積みと受け入れ、
どんどんキッチンでの知識・経験も増やしていきました。
ただ、日本で修行する料理人の世界に比べると大分甘ちゃんな環境ですがね。
テレビでみても、日本の料理人の下積みは半端なくすごいですからね。
お家でも基本、料理は僕の担当で、
休みの日に気が向けば、好きな料理本をみて調理することもあり、
おいしいご飯を食べることの楽しさも覚えていきました。
それまでは、ご飯って栄養だとか必要だから食べるっていう意識の方が強かったのですが、
おいしいご飯を食べるって元気の素になったり、
幸せ感を感じる要素を含んでいるだなということを体験しました。
そんなおいしいご飯を作れるようになりたい!っという思いと、
シェフってかっこういいというあこがれ、
あと、いいライフスキルでもあり、たとえ他の地域に住むことになっても、仕事を比較的見つけやすいこと、
そして、家族においしいものを作って喜ばせたい、その笑顔をみて自分も悦びたい!(自己満?)
っていう思いから、シェフを目指すことを決意しました。
専門学校に行くことを決断した理由
僕の職場では、そのまま働いていれば、空きが出た際に上けに上がっていけるようになっており、
実際にキッチンハンドから調理場へのプロモーションも受けました。
しかし、そこの料理法は学べるのですが、
しっかり基礎を学びたいなと思い、
住んでいる地域にある専門学校のCookery(調理師)コースに進むことを決断しました。
ただ、子ども2人いますし、ある程度お家のことや子供の学校・習い事の送迎を僕が担当し、
僕が学校に通うことで、たとえ妻が多くを稼いでいるといっても多少家計の収入も減りますし、
子どもの面倒のことも考えないといけなかったので、
これまでの生活スタイルがガラッと変わってしまうことに、家族の負担が増えることに悩みました。
しかし、妻から「何とかやっていけるよ!」というサポートもあって、
自分のやりたいことを進むことにしたのです。
家族を持つと、色々と考慮しないといけない要素が増えますが、
こうして家族のサポートがあることで大きく前進できるものです。
あなたも専門学校に進むことで、
今までの生活が変化するわけですから、もちろんそこには何らかの犠牲を伴うかもしれませんが、
その部分ばかりをみていては、何もできなくなってしまうので、
その先を観るといいと思います。
あとやると決めたら、まっすぐそこを見てください。
それが、自分で自分を前進させる動力になりますから。
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Cookeryコースのレベルの種類
僕の通ったサウルランドにある、
SIT(Southern Institute of Technology)のCookeryコースは、
3つのレベルがあり、レベル3、レベル4、レベル5という段階に分かれておりました。
レベル3は基礎レベルで、約5カ月のコース、
レベル4は、よりレベルの高い西洋の専門料理を学べ、約10カ月のコース、
レベル5は、ディプロマといわれ、日本でいう准学士号に相当する資格がもらえ、約10カ月のコース、
と構成されておりました(レベル4とレベル5の期間をオーバーラップさせダブルでコースを進行させることも可能)。
もう少しレベルのイメージをしやすくいうと、
レベル3は本当に基礎の基礎で、料理をやったことない人が料理ってどんなものかを試しに勉強して、
調理実習を通してシェフになるってどういう感じなのかを体験できるような期間、
レベル4は、お皿に載せる食材の調理法がより手の込んだものになり、
前菜、スープ、メイン、デザートなどそれぞれのクオリティー高い料理や調理技術を学びます。
レベル5は、ヘッドシェフ(料理長)を目指す方に薦めるコースで、
自分でメニューを作ったり、コスト計算をしたりと、
実践的にメニュープランを行い、作ることまでをプロジェクトとしているので、
キッチンをマネジメントする知識も身につきます。
ただし、レベル5を卒業してディプロマをとったから、すぐ料理長になれるかといえば、
そうでもなく、そこからはやはり現場での経験を培っていく必要があります。
レベル3だけ就職するお友達もいましたが、
少し知識としては弱いため、レベル4までを修了し、
大体の料理法の知識がついたところで卒業していくKiwi(ニュージーランド人)も多く、
現場で腕を磨いていくために就職するパターンもよく見られます。
僕の場合は、レベル5で料理の技術を掘り下げて学ぶことであったり、
キッチンをマネジメントすることを身につける価値のあることも十分承知でしたが、
学生ローンを組んでの通学だったことや、あとは現場で経験を積みたいこともあり、
僕もレベル4で卒業しました。
個人的にはレベル3よりはレベル4までを終わらせると、
日本人としてもっていない西洋料理の知識や技術もある程度身につけ基礎力がついているので、
どこのレストランにいっても胸を張って働けると思います。
細かいテクニックはそこのレストランで学ぶことができますからね。
一応、先生方(こちらではチューターと呼んでます)は、
もし海外に出る場合は、ディプロマまで持っている方が就職に有利になるという風におっしゃっておりました。
なので周囲のアジア出身のクラスメート全員、ディプロマまで進むでおりました。
英語力のハンデを資格でカバーするというところでしょうか。
ご参考までに。
次回は、調理師コースをスタートしての体験をお届けしますね。
以下をクリックしてお進みください。
子持ち30代でもイケる!ニュージーランドで調理師学校生活スタート!
(冒頭写真提供元:Photo by Nick Karvounis on Unsplash)
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